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梅毒の症状・潜伏期間・感染経路・検査・治療
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梅毒を一言でいうと
潜伏期間 | 感染経路 | 感染部位 | 自覚症状 | 放置リスク |
---|---|---|---|---|
約3週間 (第Ⅰ期) | 性交(セックス) オーラルセックス アナルセックス キス | 性器 口唇部・口腔内 肛門周囲 | 痛みがなく 気付かないことも多い | 第Ⅲ期に入ると重大な合併症リスク |
こんな時は要注意
梅毒とは
梅毒はスピロヘータの一種である梅毒トレポネーマの感染によって生じる性感染症です。
主に性交渉によって伝播し、感染すると全身の臓器に菌が播種するため全身に様々な症状が出ます。
早期の薬物治療で完治が可能ですが、検査や治療が遅れたり治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
厚生労働省によると2021年(令和3年)の患者報告数は7875人でこれまでの最多報告数であった2018年(平成30年)の7007人を上回りました。
コロナ禍にもかかわらず梅毒の患者数は増加傾向であり、SNSの普及や性生活の多様化などがその原因として考えられています。
梅毒の症状
男女共通の症状
<第Ⅰ期>:感染後、約3週間〜3ヶ月
- (感染部位に)軟骨に似た硬さのしこり
- (感染部位に)痛みを伴わない潰瘍
- 股の付け根部分のリンパ節の腫れ
<第Ⅱ期>:感染後、平均3ヶ月〜
- 手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤いブツブツが出る(バラ疹)
- 咽頭痛
- 筋肉痛
<第Ⅲ期>:感染後、数年経過
- 皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)
- 心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変
梅毒の感染経路
- 性交渉(セックス)
- オーラルセックス
- アナルセックス
- キス
主な感染経路は、感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触です。
具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)・口と口(キス)等が原因となります。
感染した妊婦の胎盤を通じて胎児に感染する場合もあります(先天梅毒)。
梅毒の潜伏期間
急性感染期:感染後 約2週間
梅毒の検査方法
感染初期(第1期、第2期)以外は潜伏する疾患のため、梅毒に感染したかどうかは血液検査(抗体検査)で判断します。
血液検査の項目にはRPRというものとTPHAというものがあります。
どちらの項目も陽性か陰性かで結果が返ってきますが、結果の解釈は専門の医師でないと難しいです。
感染してから最初の数週間は抗体検査をしても陽性反応が出ないことがあるため、実際に治療を開始するかどうかは専門医の意見を聞く必要があります。
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梅毒の検査ができるところ
- 病院・クリニック
- 郵送検査(性病検査キット)
- 保健所
※一部の保健所で、梅毒の検査を実施しています
梅毒の治療方法・治療期間
早期であれば4週間程度ですが、進行している場合は数か月治療を継続する必要があります。
通常は治療経過中に採血検査で治療効果を評価します。
一般的には、ペニシリンという抗菌薬を内服することで治療します。
大体4週間前後で治療は終了することが多いですが、病気が進んでいる場合は数ヶ月治療を続けることもあります。
また、2022年1月には1回の投与で治療可能な注射薬が使用可能となったので、今後は治療の選択肢が多様化していくことが予想されます。
梅毒の予防方法
感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、性行為時にはコンドームを使用することが勧められます。
感染力の強い第 I 期及び第 II 期の感染者との性行為は避けることが基本です。
コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100%予防できると過信はせず、皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。
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梅毒の参考文献
本コンテンツは下記データ・文献を元に医師が執筆・監修しています。
- Workowski, Kimberly A., Laura H. Bachmann, Philip A. Chan, Christine M. Johnston, Christina A. Muzny, Ina Park, Hilary Reno, Jonathan M. Zenilman, and Gail A. Bolan. 2021. “Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021.” MMWR. Recommendations and Reports: Morbidity and Mortality Weekly Report. Recommendations and Reports / Centers for Disease Control 70 (4): 1–187.
- 性感染症 診断・治療ガイドライン2020