B型肝炎の症状・潜伏期間・感染経路・検査・治療

B型肝炎を一言でいうと

スクロールできます
潜伏期間感染経路感染部位自覚症状放置リスク
1~6ヶ月
(体内に入ったウイルス量による)
性交(セックス)
オーラルセックス
アナルセックス
母子感染
血液感染
肝臓半数以上の人は症状が出ない肝硬変
肝臓がん

こんな時は要注意

STD Check Now(完全無料)

STD Check Nowアプリ

医師監修の性感染症セルフチェックができるアプリ!性病検査キットやクリニックも探せます。

B型肝炎とは

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が原因で起こる肝臓の病気のことです。

乳幼児や免疫が低下した人が感染すると、持続感染(キャリア化)を起こしますが、免疫が正常な人であれば一過性の感染に終わることが多いです。
しかし、ウイルス型や宿主の遺伝子次第では、少なからず慢性化することもあります。日本におけるB型肝炎患者数は、年間10000人以上の新規感染者がいると推定されています。

HIV(エイズウイルス)感染者では、HBVによる重複感染が多く、慢性化する例も多いです。日本では、HIV感染例の6.4%がHBVキャリアといわれています。

B型肝炎の原因

B型肝炎ウイルス(HBV)が肝臓の細胞に感染することが原因です。HBVはHIVC型肝炎ウイルスより感染力が強く、体液を介して他の人の体内に入り込み、肝細胞に感染することで発症します。

B型肝炎の症状

男女共通の症状

<一過性感染>

急性肝炎を発症した場合

  •  発熱
  •  黄疸(体や白目の部分が黄色っぽくなること)
  •  全身倦怠感
  •  赤褐色尿
  •  (ごく稀に)重度の肝炎
※急性肝炎を発症する人は感染者の約20〜30%と言われ、感染者の半数以上は症状が出ないまま、自然に治ります。

<持続感染>

慢性B型肝炎は多くは無症状ですが、まれに疲労や腹部不快感などがあります

※健診などで肝臓の機能障害を指摘されて気がつくこともあります

B型肝炎の感染経路

  • 性交渉(セックス)
  • オーラルセックス
  • アナルセックス
  • 母子感染
  • 血液感染

HBVは血液または体液(精液や腟分泌液)を介して感染します。

感染経路は主に、ウイルスに感染している母親から生まれた子供への感染(母子感染)と、輸血や性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックスなど)による感染(水平感染)があります。

また、性行為でなくても、入れ墨、ピアスの穴あけ、注射の回し打ち、カミソリや歯ブラシの共用などでも感染の可能性があります。

体液や直接の粘膜同士の接触は感染の可能性があると考えたほうがよいですが、基本的には健康な皮膚からは感染しませんので、学校や会社などで通常の生活を送っている分には感染することはありません。

B型肝炎の潜伏期間

1~6ヶ月
※体内に入ったウイルス量によって異なる

B型肝炎の検査方法

HBVに感染しているかどうかは、血液検査で判定します。

HBs抗原検査で陽性が出た場合はHBVに感染していることを示しますので、専門医に受診し精密検査を受けましょう。

\ 忙しくて病院に行けない人におすすめ /

B型肝炎の検査ができるところ

※一部の保健所で、B型肝炎の検査を実施しています

B型肝炎の治療方法・治療期間

B型肝炎の治療薬
B型肝炎の治療期間

症状や治療法によって異なります。
急性肝炎の場合は症状が落ち着くまで数週間〜数か月の間、対症療法が行われます。

慢性肝炎の場合は数か月から数年に渡ります。

急性肝炎は、発熱、全身倦怠感や食欲不振などを起こしますが、多くの例が自然に軽快します。

治療として抗ウイルス薬を使うことはなく、自然な免疫によってウイルスが排除されるのを待ちます。
しかし、劇症肝炎と呼ばれる炎症が強い状態になった場合は命の危険があるため、抗ウイルス薬の使用について専門医へ相談いたします。
肝臓が機能しなくなった場合には肝移植が必要になることもあります。

慢性肝炎は、肝臓に潜むHBVを完全に排除することはできません。
そのため、治療の目標は、「ウイルスの活動性を抑え込み、肝硬変や肝癌への進展を抑えること」となります。
HBVが肝臓の炎症を起こさず静かにしている場合やウイルスが少ない方は経過観察になることがあります。

また、炎症が強い場合にはウイルスを減らし炎症を抑えるための抗ウイルス薬を内服する必要があります。
年齢や病状によってはインターフェロンと呼ばれる注射を定期的に行ったり、肝臓を保護する薬を内服したりすることもあります。

B型肝炎の予防方法

コンドームでB型肝炎予防

HBV感染の予防にはワクチン接種が有効です。

HBVを持つパートナーとの性交渉では、HBVに感染する確率が高いため、パートナーがHBキャリアの場合は特にワクチン接種を受けるべきです。

妊婦さんがHBVに感染している場合 、生まれてくる赤ちゃんもHBVに感染する(母子感染)恐れがあります。
そのため、基本的に妊婦さんはあらかじめHBVに感染しているかどうか検査する必要があります。

性行為での感染を防ぐには、コンドームを着用し、不特定多数との性行為を控えましょう。
また、オーラルセックスやアナルセックスでも感染するため、その際にも適切にコンドームを使用しましょう。

セルフチェックにおすすめ

医師監修のセルフチェック・性感染症の基礎知識などのコンテンツが充実した無料アプリ。

STD Check Nowアプリ

B型肝炎の参考文献

本コンテンツは下記データ・文献を元に医師が執筆・監修しています。

  • Workowski, Kimberly A., Laura H. Bachmann, Philip A. Chan, Christine M. Johnston, Christina A. Muzny, Ina Park, Hilary Reno, Jonathan M. Zenilman, and Gail A. Bolan. 2021. “Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021.” MMWR. Recommendations and Reports: Morbidity and Mortality Weekly Report. Recommendations and Reports / Centers for Disease Control 70 (4): 1–187.
  • 性感染症 診断・治療ガイドライン2020