尖圭コンジローマの症状・潜伏期間・感染経路・検査・治療

尖圭コンジローマを一言でいうと

スクロールできます
潜伏期間感染経路感染部位自覚症状放置リスク
約3週間~8ヶ月性交(セックス)
オーラルセックス
アナルセックス
性病による陰嚢・陰茎・性器周辺に関する症状性病による喉(のど)の症状
性病による肛門の症状
ありイボ状のものが増える

こんな時は要注意

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尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは性器へのヒトパピローマウイルス(HPV)感染による性感染症の一つです。

男女ともに、発症すると性器の周囲などに鶏冠(とさか)やカリフラワーのようなイボ状のものが発生します。
HPVの種類は、100種類以上がありますが、性行為によって皮膚や粘膜に感染するタイプのものは40種類程度です。

このタイプのHPVのうち、尖圭コンジローマの原因となるHPV-6とHPV-11は、粘膜型ローリスク型HPVと呼ばれます。
感染症発生動向調査における国内の尖圭コンジローマの報告数は、男性では2005年をピークに減少し、2012年から再び増加傾向です。
女性では2005年をピークに減少傾向となっていますが、全体で見ると2013年以降はほぼ横ばいで推移しています。

尖圭コンジローマの原因

尖圭コンジローマの原因は、主にHPV-6とHPV-11です。この2種類で尖圭コンジローマの原因の90%を占めています。

尖圭コンジローマの症状

女性の症状

  • 膣周囲・外陰唇にイボ状のものができる

男性の症状

  • 亀頭や陰嚢、陰茎の皮にイボ状のものができる
 

尖圭コンジローマになると、性器や尿道・膣・肛門などにイボ状のようなものを形成します。

このイボ状のようなものはニワトリの鶏冠のような形になることも多く、時には癒合し巨大化することもあります。

女性の発症箇所

女性の尖圭コンジローマ

女性では、膣周囲や外陰唇に発症します。

HPV-6とHPV-11感染者が妊娠した場合、尖圭コンジローマが産道を介して大量のウイルスを排出し母子感染を起こすことがあります。

男性の発症箇所

男性の尖圭コンジローマ

男性では、陰茎の亀頭や陰嚢、陰茎の皮などに発症します。

男女共通の症状

また、男女ともに肛門や尿道にも発症することもあります。

自覚症状はないことが多いですが、発生した部位によってはかゆみや痛みが出ることもあります。

尖圭コンジローマの感染経路

  • 性交渉(セックス)
  • オーラルセックス
  • アナルセックス

主に性交渉によって感染します。

尖圭コンジローマの潜伏期間

約3週間~8ヶ月

尖圭コンジローマの検査方法

尖圭コンジローマの診断は、感染機会があったかどうかの情報と、イボ状のものの見た目で診断をつけることがほとんどです。

確定診断が必要な場合などでは、組織の一部を採取して病理検査で診断をつけることもできます。

尖圭コンジローマの検査ができるところ

  • 病院・クリニック

尖圭コンジローマの治療方法・治療期間

淋病(淋菌)の治療
尖圭コンジローマの治療期間

外科的に摘除した場合は治療はそこで終了ですが、塗り薬の場合は効果が出るまでに時間がかかるため数週間〜数か月必要になります。

尖圭コンジローマの治療には、イミキモドクリームという塗り薬が用いられますが、イボ状のものが大きかったり数が多かったりする場合は治療に数ヶ月かかることもあり、なかなか治りません。

単発の尖圭コンジローマに対しては凍結療法やレーザー蒸散、外科的切除が有効です。
ただし、美容的な配慮も必要なため状況に応じて治療法を検討します。

ウイルス感染が原因のため、再発する可能性が20〜30%程度あるということを踏まえて治療を行いましょう。

尖圭コンジローマの予防方法

コンドーム

尖圭コンジローマの感染予防には、コンドームの着用が大切です。
しかし、広範囲に感染している場合は完全に予防することができません。

有効性が高い予防法として、尖圭コンジローマの原因ウイルスであるHPV-6とHPV-11に対応した4価HPVワクチン接種があります。
もし、ワクチンで予防できるHPVに未感染の場合は、接種により発症を防ぐことができます。
4価ワクチンは、子宮頸癌の原因でもあるハイリスクHPVに対する予防効果もあるため、現在は多くの国で男女問わず接種が承認されています。

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尖圭コンジローマの参考文献

本コンテンツは下記データ・文献を元に医師が執筆・監修しています。

  • Workowski, Kimberly A., Laura H. Bachmann, Philip A. Chan, Christine M. Johnston, Christina A. Muzny, Ina Park, Hilary Reno, Jonathan M. Zenilman, and Gail A. Bolan. 2021. “Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021.” MMWR. Recommendations and Reports: Morbidity and Mortality Weekly Report. Recommendations and Reports / Centers for Disease Control 70 (4): 1–187.
  • 性感染症 診断・治療ガイドライン2020